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専ら物の許可不要はどこまでか|4品目の範囲と令和5年通知が示した線引き

専ら物は「許可が要らない廃棄物」ではない。古紙・くず鉄・あきびん類・古繊維の4品目について、処理業の許可だけが外れる特例で、根拠は法律ではなく50年以上前の通知にある。条文がどこで何を外し、何を外していないのかを法と規則の対応で整理し、令和5年通知が明確化した範囲と、4品目が今後広がらない理由までを一本で確認できるようにした。

専ら物の許可不要はどこまでか|4品目の範囲と令和5年通知が示した線引き
この記事の目次
  1. 01専ら物とは何か——法律にこの言葉はない
  2. 02なぜ4品目は法律に書かれていないのか
  3. 03専ら物は有価物ではない——最も多い誤解
  4. 04許可が要らないのは何か、要るのは何か
  5. 05数字で見る4品目——制度は同じ、実態は真逆
  6. 06令和5年通知が明確化したこと
  7. 07ペットボトル・資源プラは専ら物か
  8. 08「のみ」をどう満たすか
  9. 09専ら物の枠は今後広がるのか——認定制度という受け皿
  10. 10よくある質問

「専ら物だから許可は要らない」。この一文は、半分だけ正しい。

正しくないほうの半分が、業界紙の誤報という形で表に出たことがある。2023年、環境省は週刊循環経済新聞の記事について、廃棄物処理法の誤った情報を広め処理業者や自治体に混乱を生じさせるおそれがあるとして、発行元に訂正を申し入れた。争点は2つ。専ら4品目と同じようにPETボトルや資源プラも許可不要になるという理解と、専ら物は有価物だから許可もマニフェストも要らないという理解——どちらも誤りだと環境省は明言している。

専ら物は50年以上、法律の条文ではなく通知だけで運用されてきた。だから「どこまでが専ら物か」「何が外れて何が外れないのか」の線引きが、扱う人の理解に依存してきた。この記事では、法律と施行規則の条文がどこで何を外しているのかを対応表にし、令和5年の通知が明確化した範囲、そして4品目が今後も広がらないと考えられる理由までを扱う。

廃棄物処理法そのものの全体像は、ピラー記事「廃棄物処理法(廃掃法)とは」で整理している。

専ら物とは何か——法律にこの言葉はない

「専ら物(もっぱらぶつ)」は法令用語ではない。廃棄物処理法の条文にあるのは「専ら再生利用の目的となる一般廃棄物」「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物」という表現で、業界がこれを縮めて呼んでいるのが専ら物だ。

そして、この表現が法律のどこに出てくるかというと、4箇所しかない。すべて処理業の許可を定めた条文のただし書である。

廃棄物処理法 第7条第1項

一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、一般廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその一般廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。

同じ構造の規定が、一廃の処分業(法第7条第6項)、産廃の収集運搬業(法第14条第1項)、産廃の処分業(法第14条第6項)にそれぞれ置かれている。

廃棄物処理法 第14条第1項

産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。以下この条から第14条の3の3まで、第15条の4の2、第15条の4の3第3項及び第15条の4の4第3項において同じ。)の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその産業廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。

つまり、法律が専ら物について定めているのは「処理業の許可が要らない」という一点だけだ。何が専ら物に当たるのか、品目は何か、判断は誰がするのか——法律には一文字も書かれていない。

なぜ4品目は法律に書かれていないのか

古紙、くず鉄(古銅等を含む)、あきびん類、古繊維。この4品目が専ら物とされる根拠は、昭和46年10月16日付の環整第43号「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行について」という通知にある。廃棄物処理法が施行されたときの、最初の施行通知だ。

なぜ品目が法律に入らなかったのか。理由は、この4品目を扱う商売が廃棄物処理法より先に存在していたことにある。

廃棄物処理法は昭和45年に成立し、それまでの清掃法に代わって廃棄物の処理を許可制で規律する仕組みを作った。ところが古紙や鉄くずの回収は、その時点ですでに独立した産業として回っていた。相場を見て買い、選別し、製紙工場や電炉へ持ち込む。廃棄物行政が関与しなくても市場が成立していた領域である。ここに新設の許可制度をそのまま被せると、既存の回収業者が一斉に無許可営業になってしまう。

そこで法律のただし書に「専ら再生利用の目的となる」という抽象的な除外を置き、具体的な品目は通知で示す、という構成が採られた。この構成は昭和46年から現在まで一度も改正されていない。

このことは、実務上2つの意味を持つ。

ひとつは、品目の追加・削除が国会も内閣も通さずに行われうるということ。逆にいえば、環境省が通知を出さない限り4品目は動かない。

もうひとつは、専ら物かどうかの判断が条文の文言ではなく実態に依存するということだ。法律にあるのは「専ら再生利用の目的となる」という性質の記述だけなので、実際に再生利用されているかどうかが問われる。この点は第8節で扱う。

法律・政令・省令の役割分担そのものは、施行令の記事で整理している。

専ら物は有価物ではない——最も多い誤解

冒頭で触れた環境省の訂正申し入れは、2点目がここに関わる。「専ら物は有価物であり廃棄物ではないから、許可もマニフェストも要らない」という説明は、結論が合っていても理由が間違っている

有価物であれば、そもそも廃棄物処理法の対象外である。廃棄物でないものに許可が要らないのは当たり前で、専ら物の特例を持ち出す必要がない。

一方、法律の条文は「専ら再生利用の目的となる一般廃棄物」「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物」と書いている。廃棄物であることを前提にした特例だ。だから廃棄物処理法の他の規定は、外されているものを除いて生きたまま残る。

この区別は実務で効く。専ら物を有価物だと思い込むと、次のような判断ミスが起きる。

  • 委託契約書は要らないと考える(後述のとおり、産業廃棄物は書面契約が必要。一般廃棄物には書面契約の法定義務はないが、書面を残すのが実務的には無難)
  • 廃棄物処理基準・保管基準は関係ないと考える(専ら物として外れているのは業の許可であって処理基準ではない)
  • 買値がついているから専ら物だと考える(買値がつくなら有価物の可能性があり、別の判断枠組みになる)

有価物か廃棄物かの判断そのものは、占有者の意思・取引価値・性状など複数の要素を総合して行う別の論点で、専ら物の話とは切り分けて考える必要がある。

許可が要らないのは何か、要るのは何か

ここが本記事の核心になる。法律・政令・省令の対応を先に表で示す。

実務論点

専ら物の扱い

根拠条文

一廃の収集運搬業・処分業の許可

不要

法第7条第1項ただし書・第6項ただし書

産廃の収集運搬業・処分業の許可

不要

法第14条第1項ただし書・第6項ただし書

排出事業者が委託できる相手か

委託できる

法第6条の2第6項+規則第1条の17第1号・第1条の18第1号/法第12条第5項+規則第8条の2の8第2号・第8条の3第2号

産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付

不要

法第12条の3第1項+規則第8条の19第3号

委託基準

外れない(ただし内容が産廃と一廃で異なる)

産廃: 法第12条第6項+施行令第6条の2第4号・第5号/一廃: 法第6条の2第7項+施行令第4条の4

処理基準・保管基準

外れない

法第12条第1項・第2項 ほか

外れるのは「業の許可」と「マニフェスト」の2つだけ、と覚えるのが実務的には近い。

マニフェスト不要の根拠は法律ではなく規則にある

ここは二次資料が取り違えやすい箇所なので、条文で確認しておく。マニフェストの交付義務を定める法第12条の3第1項に、専ら物という文字は出てこない。

廃棄物処理法 第12条の3第1項

その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第12条の5第1項及び第2項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。

除外は「環境省令で定める場合」に委ねられていて、その中身が施行規則にある。

廃棄物処理法施行規則 第8条の19第3号

専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集若しくは運搬又は処分を業として行う者に当該産業廃棄物のみの運搬又は処分を委託する場合

「のみ」が二重に入っている点に注意したい。専ら物のみを業とする者に、専ら物のみを委託する場合、という限定である。この二重の限定が、第8節で扱う分離の実務に直結する。

施行規則がどの実務をどこで定めているかの全体像は、施行規則の記事で整理している。

委託契約書は必要——ただし書面契約の法定義務は産廃だけ

委託基準を定める法第12条第6項には、専ら物を除く括弧書きがない。

廃棄物処理法 第12条第6項

事業者は、前項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。

「前項の規定により」の前項、すなわち第12条第5項は、産業廃棄物収集運搬業者「その他環境省令で定める者」への委託を定めた規定で、専ら物業者はこの「その他環境省令で定める者」に含まれる(規則第8条の2の8第2号・第8条の3第2号)。したがって専ら物の委託も第6項の適用を受け、施行令第6条の2が定める委託基準に従う必要がある。同条第4号が委託契約を書面で行うことと契約書に含めるべき事項を、第5号が契約書の保存を定めている。

一般廃棄物は、ここが産業廃棄物と違う。 法第6条の2第7項に専ら物を除く規定がない点は同じだが、委任先である施行令第4条の4には2号しか置かれていない。

廃棄物処理法施行令 第4条の4

法第六条の二第七項の政令で定める基準は、次のとおりとする。

一 他人の一般廃棄物の運搬又は処分若しくは再生を業として行うことができる者であつて、委託しようとする一般廃棄物の運搬又は処分若しくは再生がその事業の範囲に含まれるものに委託すること。

二 特別管理一般廃棄物の運搬又は処分若しくは再生にあつては、その運搬又は処分若しくは再生を委託しようとする者に対し、あらかじめ、当該委託しようとする特別管理一般廃棄物の種類、数量、性状その他の環境省令で定める事項を文書で通知すること。

書面契約の義務も、契約書の保存義務も存在しない。

ただし、法令上の義務がないことと書面が要らないことは別である。委託先がその業を行うことができる者か、委託内容がその事業の範囲に含まれるかは第1号の要件であり、これを満たしていることを後から示す材料は結局のところ書面になる。産業廃棄物と同じ様式で契約書を交わしておくのが実務上は無難だろう。

つまり産業廃棄物では、マニフェストは要らないが契約書は要る。この非対称は「専ら物は許可が要らない廃棄物」という粗い理解からは出てこない。

数字で見る4品目——制度は同じ、実態は真逆

専ら物の特例は、その物の性質上通常再生利用されるという前提に立っている。この前提が実際にどこまで成り立っているかを、環境省の産業廃棄物統計で確認しておきたい。

産業廃棄物19区分のうち、専ら物の4品目に対応する区分の処理実態は次のとおりである(令和5年度実績)。

産廃区分(対応する専ら物)

排出量

再生利用率

減量化率

最終処分率

金属くず(くず鉄)

6,944千t

95.4%

1.6%

3.0%

紙くず(古紙)

820千t

81.8%

13.2%

4.9%

ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(あきびん類)

8,346千t

79.8%

6.9%

13.2%

繊維くず(古繊維)

90千t

56.0%

31.2%

12.8%

(参考)産業廃棄物全体

367,250千t

54.7%

42.9%

2.4%

出典: 環境省「産業廃棄物の排出・処理状況等(令和5年度実績)」表1-2・図2-3

注意点をひとつ先に置く。 産業廃棄物の19区分と専ら物の4品目は一対一で対応しない。とくに「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」はコンクリートくずと陶磁器くずを含む合成区分で、あきびん類だけの数字ではない。また産業廃棄物の統計なので、家庭から出る古紙やびんは含まれない。あくまで近似として読んでほしい。

そのうえで、2つのことが読める。

ひとつ目。4品目に対応する区分は、いずれも産廃全体の再生利用率54.7%を上回っている。 「その物の性質上、通常再生利用されるもの」という制度の前提は、数字の上では成り立っている。

ふたつ目。ただし品目差が極端に大きい。 金属くずの再生利用率95.4%に対し、繊維くずは56.0%。40ポイント近い開きがある。

より露骨なのは最終処分率のほうだ。産廃全体が2.4%であるのに対し、ガラスくず等は13.2%、繊維くずは12.8%。専ら物に対応する区分でありながら、1割を超える量が埋立に回っている。 繊維くずは減量化率も31.2%と高く、集めたうちの相当量が焼却されていることを示している。

この差は、次節以降の実務論点に直結する。専ら物の特例は「再生利用されないと認められる場合」には及ばない。上記の統計はあきびん類・古繊維単独の数字ではなく区分全体の近似値だが、対応する区分の最終処分率が相対的に高いことは、埋立や焼却に回りやすい傾向がうかがえる材料にはなる。同じ4品目でも、実態を問われたときに用意すべき説明の厚みは同じではない。

令和5年通知が明確化したこと

2023年2月3日、環境省は「専ら再生利用の目的となる廃棄物の取扱いについて」という通知を出した(環循適発第2302031号・環循規発第2302031号)。地方自治法第245条の4第1項に基づく技術的助言で、位置づけとしては解釈の明確化である。

通知が明確にしたのは、次の点だ。

専ら物のみの収集運搬・処分を業として行う者に許可が要らないことは、専ら物以外の廃棄物の処分等を主たる業として行っている者であっても同様である。

これは従来、解釈が割れていた論点だった。昭和46年の通知が「専門に取り扱っている既存の回収業者等」という書き方をしていたため、専ら物の特例は昔からのくず屋・古紙問屋に限られるのではないか、という読み方がありえた。令和5年通知はこれを否定し、専ら物以外を本業とする事業者でも、専ら物の部分については許可が要らないとした。

産業廃棄物処理業者にとっては、これが実務上いちばん大きい。産廃業を本業とする事業者が、一般廃棄物である古紙や古繊維を運搬する場合でも、一般廃棄物収集運搬業の許可を取る必要がない、という結論になるからだ。

産廃業者が一般廃棄物に触れられる経路は限られており、この専ら物ルートはそのうちの1本にあたる。他の経路との比較は、一般廃棄物と産業廃棄物の違いを扱った記事で整理している。

ただし通知は、同じ段落で歯止めも置いている。専ら再生利用の目的となる廃棄物であっても、それが再生利用されないと認められる場合には許可が必要である、と。特例は品目に付いているのではなく、再生利用という実態に付いている。

ペットボトル・資源プラは専ら物か

答えは「専ら物ではない」。

冒頭で触れた環境省の訂正申し入れの1点目が、まさにこの論点だった。令和5年通知には、PETボトルや資源プラ等の具体的な品目が専ら再生利用の目的となる廃棄物と同様に許可等を要しない、という記載はない。通知が扱ったのは「誰に特例が及ぶか」であって、「何が専ら物か」ではない。

品目についての記述は昭和46年の通知のまま、古紙・くず鉄(古銅等を含む)・あきびん類・古繊維の4つである。再生材の需要が高まり、PETや資源プラ、アルミニウムなど古銅等に含まれない金属の価値が上がっても、それだけで専ら物になるわけではない。

では、4品目以外を許可なしで扱う道がないのかというと、そうではない。ただしそれは専ら物の枠を広げる形ではなく、別の制度として用意されている。第9節で扱う。

なお、産業廃棄物の20種類そのものの区分は、種類一覧の記事で図解している。

「のみ」をどう満たすか

行政指導の現場でもっとも問題になるのが、専ら物と専ら物以外を一緒に扱っているケースだ。この論点は、自治体の裁量ではなく条文の文言そのものから出てくる。

もう一度、許可のただし書を見てほしい。「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者」。マニフェストの除外規定も「専ら物のみを業として行う者に当該産業廃棄物のみを委託する場合」。どちらにも「のみ」が入っている。

つまり、専ら物に他の廃棄物が混ざった時点で、特例の前提そのものが崩れる。神奈川県のように、専ら物と専ら物以外を取り扱う場合に混合防止措置を求め、措置が講じられない場合(その可能性がある場合を含む)は専ら物の処理にも許可が必要としている自治体があるのは、この「のみ」を運用に落としたものと読める。

もうひとつ、「再生利用されないと認められる場合」という要件がある。汚れや異物の混入がひどく、結局は焼却や埋立に回るのであれば、それは再生利用の目的となる廃棄物ではない。第5節で見たとおり、ガラスくず・繊維くずでは1割超が最終処分に回っているというのが統計上の実態であり、この要件は絵に描いた餅ではない。

いずれの要件も、事業者側が「そうなっている」ことを示せなければ通らない性質のものだ。許可を持っていれば許可証が証明になるが、専ら物には証明する書面が存在しない。したがって、示す材料は日常の運用そのものになる。

専ら物の枠は今後広がるのか——認定制度という受け皿

「PETや資源プラも専ら物にしてほしい」という業界の期待は、以前からある。2023年の誤報も、突き詰めればその期待の表れだった。

しかし、専ら物の枠が今後広がる可能性は高くないと考えられる。理由は、4品目以外を許可なしで扱うための受け皿が、専ら物とは別に複数用意されているからだ。施行規則を読むと、その層の厚さが見える。

第1層は、都道府県知事等による個別指定。 再生利用されることが確実であると都道府県知事が認めた産業廃棄物のみを扱う者で、都道府県知事の指定を受けたものは、収集運搬業・処分業の許可を要しない(規則第9条第2号・第10条の3第2号)。品目を限定せず、個別の案件ごとに判断する仕組みである。

第2層は、環境大臣の各種認定制度。 広域認定、再生利用認定などが法第15条の4の2以下に置かれ、認定の範囲内で許可が不要になる。

第3層は、近年新設された再資源化事業等高度化法の認定。 施行規則第8条の19第12号には、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律第11条第1項の認定を受けた者への委託が、マニフェスト交付不要の場合として組み込まれている。国が一括して認定し、認定計画の範囲内で廃棄物処理法上の許可を不要とする仕組みである。

つまり、国の側から見れば、個別の実態を審査したうえで例外を認める仕組みがすでに3層ある。ここに、品目だけを見て一律に許可を外す50年前の枠組みを拡張する必要は乏しい。専ら物の特例が改正されないまま残っているのは、制度が忘れられているからというより、拡張する動機が別の制度に吸収されているためと読むほうが自然だろう。

処理業者にとっての結論は、はっきりしている。4品目以外の再生資源を許可なしで扱いたいなら、見るべきは専ら物ではなく認定・指定の制度である。 専ら物の拡大解釈で押し切ろうとすると、無許可営業を問われるリスクを負うことになる。

よくある質問

専ら再生利用の目的となる一般廃棄物または産業廃棄物の通称で、古紙・くず鉄(古銅等を含む)・あきびん類・古繊維の4品目を指します。法律の条文には品目が書かれておらず、昭和46年10月16日付の環整第43号という通知で示されたものです。

この記事の出典
  1. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)/e-Gov法令検索(令和8年7月1日施行版・2026年8月27日照合)
  2. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)/e-Gov法令検索(令和8年4月1日施行版・最終改正 令和8年政令第66号・2026年8月27日照合)
  3. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)/e-Gov法令検索(令和8年7月1日施行版・2026年8月27日照合)
  4. 環境省「専ら再生利用の目的となる廃棄物の取扱いについて(通知)」(令和5年2月3日付け環循適発第2302031号・環循規発第2302031号)/環境省
  5. 環境省「『専ら再生利用の目的となる廃棄物の取扱いについて(通知)』に関する報道について」/環境省
  6. 環境省「産業廃棄物の排出・処理状況等(令和5年度実績)」/環境省
  7. 神奈川県「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物の取扱いについて」/神奈川県

条文照合日: 2026-08-27(e-Gov法令検索)