20種類は「法律で6つ・政令で14」に分かれている

産業廃棄物は20種類ある。ただし、その20が一枚の条文に並んでいるわけではない。法律が6種類を名指しし、残り14種類を政令に委ねる——この二段構えが、品目名の分かりにくさの出どころになっている。

まず法律の側を見る。

廃棄物処理法 第2条第4項

この法律において「産業廃棄物」とは、次に掲げる廃棄物をいう。

一 事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物

二 輸入された廃棄物(前号に掲げる廃棄物、船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物(政令で定めるものに限る。第十五条の四の五第一項において「航行廃棄物」という。)並びに本邦に入国する者が携帯する廃棄物(政令で定めるものに限る。同項において「携帯廃棄物」という。)を除く。)

つまり、法律が直接名前を挙げているのは燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類の6つだけで、あとは政令送りになっている。

ここで見落とされやすいのが第2号だ。産業廃棄物には「輸入された廃棄物」も含まれる。「産廃は20種類」という言い方は正確ではなく、20種類+輸入された廃棄物、が条文どおりの姿になる。日常の現場で輸入廃棄物に触れる機会は多くないが、20という数字だけを覚えていると条文を読んだときに合わなくなる。

政令に委ねられた側は施行令第2条にある。第1号から第13号まで、途中に第4号の2が挟まって計14種類。法律の6と合わせて20になる。施行令そのものの構造は廃棄物処理法施行令の要点で扱っている。

もうひとつ、全体像の側から押さえておくべき点がある。産業廃棄物であるための前提は「事業活動に伴つて生じた」ことだ。同じ紙くずでも、家庭から出れば一般廃棄物になる。事業活動に伴って生じていても20種類に当たらなければ、それは事業系一般廃棄物になる。この線引きは廃棄物処理法(廃掃法)の全体像の側で整理している。

20種類一覧——条番号と許可証での呼ばれ方

結論からいえば、この表の「条番号」列こそが実務で効く。許可証や委託契約書に書かれる品目名は、政令の文言をそのまま写したものだからだ。

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品目

根拠条文

具体例

業種限定

1

燃え殻

法第2条第4項第1号

石炭がら・焼却炉の残灰・炉清掃残さ

なし

2

汚泥

法第2条第4項第1号

排水処理汚泥・建設汚泥・浄水汚泥

なし

3

廃油

法第2条第4項第1号

潤滑油・洗浄用油・タールピッチ類

なし

4

廃酸

法第2条第4項第1号

硫酸・写真定着廃液

なし

5

廃アルカリ

法第2条第4項第1号

苛性ソーダ廃液・写真現像廃液

なし

6

廃プラスチック類

法第2条第4項第1号

合成樹脂くず・合成繊維くず・廃タイヤ

なし

7

紙くず

令第2条第1号

建設現場の包装材・製紙工程の損紙

あり

8

木くず

令第2条第2号

解体材・型枠・パレット

あり

9

繊維くず

令第2条第3号

木綿くず・畳・厚手の布

あり

10

動植物性残さ

令第2条第4号

あめかす・のりかす・醸造かす

あり

11

動物系固形不要物

令第2条第4号の2

と畜場・食鳥処理場で生じた固形状の不要物

あり

12

ゴムくず

令第2条第5号

天然ゴムくず

なし

13

金属くず

令第2条第6号

鉄鋼・非鉄金属の切削くず・研磨くず

なし

14

ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず

令第2条第7号

ガラス類・耐火れんがくず・石膏ボード

なし

15

鉱さい

令第2条第8号

高炉・電気炉のスラグ・鋳物砂

なし

16

がれき類

令第2条第9号

工作物の解体で生じたコンクリート破片・アスファルト破片

なし

17

動物のふん尿

令第2条第10号

畜産農業から生じたふん尿

あり

18

動物の死体

令第2条第11号

畜産農業から生じた死体

あり

19

ばいじん

令第2条第12号

集じん施設で集められたダスト

なし

20

処分するために処理したもの

令第2条第13号

焼却灰の固型化物・汚泥の脱水処理物のうち元の品目に該当しなくなったもの

なし

なお、表の「具体例」列は条文に列挙されているものではなく、各自治体が公表している分類資料で一般に挙げられている代表例を示したものになる。ここに載っていないものが対象外という意味ではない。

内訳は、あらゆる事業活動に伴うものが12種類、業種が限定されるものが7種類、そして第13号が1種類。合わせて20になる。

ここは説明が割れている箇所で、業種限定を「8種類」とする解説が少なくない。第13号(処分するために処理したもの)を業種限定の側に数えているためだが、条文上、第13号に業種の限定はかかっていない。処理業者が中間処理後の残さを扱うとき、この誤解は直接効いてくる。

もうひとつ、表の16番に注意したい。「がれき類」という言葉は、実は令第2条第9号には出てこない。

廃棄物処理法施行令 第2条第9号

工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物

つまり、政令が定めているのは長い定義文の方で、「がれき類」は略称にすぎない。

この略称は別の条文——令第6条第1項第3号イ(5)の括弧書き——で「第七条第八号の二において『がれき類』という」という形で置かれている。許可証の品目欄に長い文言が並ぶのはこのためだ。委託契約書の品目名を短縮して書きたくなる場面があるが、政令の文言と対応が取れなくなるので避けたい。

同じ構造は14番にもある。ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くずは、条文上ひとつの品目として束ねられている。3品目ではなく1品目だ。しかもこの第7号のコンクリートくずからは「工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたもの」が除かれており、そちらは第9号のがれき類に回る。同じコンクリート片でも、工作物由来かどうかで品目が変わる。

業種で産廃かどうかが変わる7品目

7品目は、同じものが出ても排出した業種によって産業廃棄物にも一般廃棄物にもなる。処理業者にとってこれは分類の問題ではなく、許可の問題だ。産廃許可しか持たずに一般廃棄物側のものを運べば、無許可営業になる。

対象は紙くず・木くず・繊維くず・動植物性残さ・動物系固形不要物・動物のふん尿・動物の死体の7つ。それぞれの限定は施行令第2条の各号の括弧書きに書かれている。

廃棄物処理法施行令 第2条第2号

木くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業及び物品賃貸業に係るもの、貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)

つまり、木くずが産業廃棄物になるのは、限定された業種から出た場合か、パレットである場合か、PCBが染み込んでいる場合に限られる。

この条文には、業種の話だけでは終わらない部分が2か所ある。

ひとつはパレットだ。「貨物の流通のために使用したパレット」は業種の限定を受けない。小売業でも飲食業でも、廃パレットが出れば産業廃棄物の木くずになる。積付けに使ったこん包用の木材まで含む。

もうひとつはPCBである。ポリ塩化ビフェニルが染み込んだ木くずは、業種を問わず産業廃棄物になる。紙くず(第1号)と繊維くず(第3号)にも同じ構造があり、紙くずは「塗布され、又は染み込んだもの」、繊維くずは「染み込んだもの」と書き分けられている。塗布を含むのは紙くずだけだ。細かいが、条文はそう書き分けている。

業種限定の中身も一様ではない。木くずは製造業のうち「木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)」と限定される一方、繊維くずの繊維工業からは「衣服その他の繊維製品製造業」が除かれている。縫製工場から出た布の切れ端は、産業廃棄物の繊維くずには当たらない。建設業に係るものについては、紙くず・木くず・繊維くずのいずれも「工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る」という条件がさらに付く。同じ建設会社の事務所から出た紙くずは対象外だ。

現場で判断が割れるのはたいてい、排出事業者から示された業種と、実際の発生工程がずれている場合になる。受入時に業種を聞くだけでは足りず、「どの工程から出たか」まで確認しないと品目が確定しない。

処理したあとに品目が変わる——第13号廃棄物

第13号は、中間処理業者だけが日常的に向き合う品目だ。他の19品目が「何であるか」で決まるのに対し、第13号は「処理した結果、元の品目に当たらなくなったもの」という定義になっている。

廃棄物処理法施行令 第2条第13号

燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで、第五号から第九号まで及び前号に掲げる廃棄物にあつては、事業活動に伴つて生じたものに限る。)又は法第二条第四項第二号に掲げる廃棄物を処分するために処理したものであつて、これらの廃棄物に該当しないもの

つまり、処理によって元の品目のどれにも当たらなくなったものが、第13号として改めて産業廃棄物になる。

条文の末尾、「これらの廃棄物に該当しないもの」が要点になる。処理しても元の品目に該当し続けるものは、第13号ではない。汚泥を脱水しても汚泥のままなら汚泥として扱う。焼却して燃え殻になれば燃え殻だ。第13号に落ちるのは、固型化・溶融などで元のどれにも当てはまらなくなった場合に限られる。

ここが許可品目の話につながる。自社が中間処理で出す残さの品目は、受け入れた品目と同じとは限らない。処分後の物を運搬・処分する段階で、どの品目として扱うかが変わりうる。委託先の許可証を確認するとき、受入品目だけでなく処理後の品目についても対応が取れているかを見る必要がある。

なお、第13号は業種の限定を受けない。前節で触れたとおり、ここを業種限定と説明する資料が出回っているが、条文にその限定はない。

品目を1つ増やすには変更許可が要る

処理業者にとって20種類が持つ最大の意味はここにある。20種類は分類表ではなく、許可の単位だ。

産業廃棄物処理業の許可は、品目を並べた「事業の範囲」として与えられる。範囲を変えるには知事の許可が要る。

廃棄物処理法 第14条の2第1項

産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者は、その産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分の事業の範囲を変更しようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、その変更が事業の一部の廃止であるときは、この限りでない。

つまり、品目を増やすには変更許可を取る必要があり、減らす場合は許可が要らない。

条文がわざわざ但し書きで「事業の一部の廃止」を外していることに意味がある。扱う品目を減らす方向は届出で足り(法第14条の2第3項が準用する法第7条の2第3項)、増やす方向だけが許可事項になる。新しい荷主から引き合いがあったとき、その廃棄物が許可品目に入っているかどうかで、動ける速さがまったく変わってくる。

品目の判断が誤っていた場合の帰結も、ここに直結する。許可品目に無いものを運べば無許可営業だ。「金属くずの許可はあるが、混ざっていた廃プラスチック類の許可はなかった」という形の違反は、品目の線引きを詰めていない現場で起きる。許可申請の手続きそのものは行政書士の領域だが、どの品目を申請の対象に載せるかは事業判断であり、そこは自社で決めるほかない。

なお、許可の要件や更新手続きの詳細は、変更許可の準用規定を含めて条文が入り組んでいる。個別の判断は許可権者である都道府県・政令市に確認するのが前提になる。

安定型に埋められるのは5品目だけ

20種類のうち、安定型最終処分場に埋め立てられるのは5品目に限られる。この5品目を「安定型産業廃棄物」と呼ぶ。

廃棄物処理法施行令 第6条第1項第3号イ

次に掲げる産業廃棄物(特別管理産業廃棄物であるものを除く。以下「安定型産業廃棄物」という。)以外の産業廃棄物(特別管理産業廃棄物であるものを除く。)の埋立処分は、地中にある空間を利用する処分の方法により行つてはならないこと。

つまり、ここに列挙された品目以外は安定型処分場に埋め立てられない。

列挙されているのは、廃プラスチック類・ゴムくず・金属くず・ガラスくず等(令第2条第7号)・がれき類の5つと、これらに準ずるものとして環境大臣が指定するものになる。

問題は、5品目それぞれに除外が付いていることだ。廃プラスチック類からは自動車等破砕物・廃プリント配線板(鉛はんだ使用のもの)・廃容器包装・水銀使用製品産業廃棄物が除かれる。金属くずからはこれらに加えて鉛蓄電池の電極・鉛製の管や板が除かれる。ガラスくず等からは自動車等破砕物・廃ブラウン管の側面部・廃石膏ボード・廃容器包装・水銀使用製品産業廃棄物が除かれる。

廃石膏ボードは、この除外の中でも現場に効く。品目としてはガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くずに当たるのに、安定型からは外れる。解体現場から出た石膏ボードを安定型に持ち込めない理由がここにある。

品目名だけを見て処分先を決めると、この除外規定に引っかかる。「品目が安定型5つに入っているか」と「除外に当たらないか」は別の確認になる。

20種類に入らないものをどう扱うか

現場で頻繁に出てくるのに20種類のどれでもない、という言葉がいくつかある。混同を避けるために整理しておく。

混合廃棄物は、法令上の品目ではない。廃棄物処理法にも施行令にも「混合廃棄物」という語は無く、複数の品目が混ざった状態を指す運用上の呼び方にすぎない。したがって混合廃棄物という品目の許可は存在せず、混ざっている品目それぞれについて許可が必要になる。安定型混合廃棄物・管理型混合廃棄物という区分も、前節の安定型5品目に収まるかどうかを運用上そう呼んでいるだけで、条文上の分類ではない。

特別管理産業廃棄物は、20種類の外にある別枠ではなく、20種類のうち爆発性・毒性・感染性などを持つものを政令で抜き出したものになる(法第2条第5項・令第2条の4)。許可も別建てで、産業廃棄物処理業の許可では扱えない。

事業系一般廃棄物は、事業活動に伴って生じてはいるが20種類に当たらないものを指す。オフィスから出る紙くずが典型で、これを扱うには一般廃棄物処理業の許可が要る。前述の業種限定7品目は、この境界のすぐ上に乗っている。

あわせ産廃は品目の話ではなく、市町村が一般廃棄物とあわせて産業廃棄物を処理できる仕組みを指す。

いずれも「20種類のどれか」を答える問いではない。品目を確定させたうえで、許可・処分先・契約のどこに影響するかを見ていくことになる。

次に確認すべきこと

品目の判断は、条文を読むだけでは終わらない。同じ木くずでも業種と工程で扱いが変わり、同じコンクリート片でも発生源で品目が変わる。判断の順序としては、発生源の業種と工程を確認し、政令の条番号に落とし込み、自社の許可品目と突き合わせる、という流れになる。

条文の解釈が分かれる場面や、個別の廃棄物が20種類のどれに当たるかの最終判断は、許可権者である都道府県・政令市の廃棄物担当部署に確認するのが前提になる。自治体ごとに運用が異なる部分があり、特に業種限定7品目の線引きは判断が分かれやすい。

品目ごとの処理基準そのものは施行令と施行規則の側に書かれている。廃棄物処理法施行令の要点で処理基準の全体像を、廃棄物処理法(廃掃法)の全体像で法体系の位置づけをそれぞれ整理している。

この記事の出典
  1. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)/e-Gov法令検索(令和8年7月1日施行版・最終改正 令和8年法律第22号・2026年8月27日照合)
  2. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)/e-Gov法令検索(令和8年4月1日施行版・最終改正 令和8年政令第66号・2026年8月27日照合)

条文照合日: 2026-08-27(e-Gov法令検索)