食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律、平成12年法律第116号)は、食品の製造・卸・小売・外食から出る食品廃棄物等について、発生抑制と再生利用を食品関連事業者に求める法律です。義務を負うのは排出側の食品関連事業者であり、処理業者に直接の義務はありません。 しかし、排出側の成績表である「再生利用等実施率」は、処理業者がその食品廃棄物をどう処理するかで決まります。飼料化・肥料化なら100%カウント、省令の基準を満たす熱回収なら0.95掛け、単純焼却や埋立は0です。
制度の全体像(対象・優先順位・2025年に改定された基本方針・定期報告)を一次資料で整理したうえで、処理業者が顧客に説明できる「処理方式別のカウント早見表」を示します。条文は e-Gov 法令検索の現行版(法:2024年4月1日施行版、施行令:2026年7月1日施行版、各省令:2025年3月24日改正版など)で照合しています。
食品リサイクル法とは――誰の法律で、誰が成績表を決めるか
食品リサイクル法は2000年6月に公布され、2001年5月1日に施行されました(農林水産省通知「再生利用事業計画の認定事務等取扱要領について」)。2007年の改正(平成19年法律第83号、同年12月1日施行)で、熱回収の追加、多量発生事業者の定期報告、再生利用事業計画(食品リサイクル・ループ)の認定制度が整えられ、現在の骨格になっています。目的は第1条にこう書かれています。
この法律は、食品循環資源の再生利用及び熱回収並びに食品廃棄物等の発生の抑制及び減量に関し基本的な事項を定めるとともに、食品関連事業者による食品循環資源の再生利用を促進するための措置を講ずることにより、食品に係る資源の有効な利用の確保及び食品に係る廃棄物の排出の抑制を図るとともに、食品の製造等の事業の健全な発展を促進し、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
登場人物は3者です。
- 食品関連事業者(製造・加工・卸売・小売・外食など):食品廃棄物等を出す側。判断基準に沿った取組と、一定規模以上の場合の定期報告を求められる
- 登録再生利用事業者(肥料・飼料などを製造する処理業者):食品循環資源を受け入れて特定肥飼料等をつくる側。登録は任意
- 農林漁業者等:できた肥料・飼料を使う側
処理業者はこの中で「再生利用を実際に行う側」です。法律上の義務は排出側にかかりますが、排出側が報告する実施率の分子を決めるのは処理業者の処理方式です。ここが本記事の立ち位置です。
なお、2026年の廃棄物処理法等改正(令和8年法律第43号)は廃棄物処理法・資源有効利用促進法など7法を改正しましたが、食品リサイクル法は改正対象に含まれていません(参議院「成立法律」掲載の法律本文で確認)。食品リサイクル法本体の現行版は2024年4月1日施行版(令和5年法律第63号による改正後)です。
対象となる「食品関連事業者」と「食品廃棄物等」
対象事業者は第2条第4項で定義されています。
この法律において「食品関連事業者」とは、次に掲げる者をいう。
一 食品の製造、加工、卸売又は小売を業として行う者
二 飲食店業その他食事の提供を伴う事業として政令で定めるものを行う者
第2号の「政令で定めるもの」は施行令第1条で、沿海旅客海運業・内陸水運業・結婚式場業・旅館業の4つです。飲食店業は法律本体で直接対象になっています。
「食品廃棄物等」は、食品が食用に供された後または供されずに廃棄されたものと、製造・加工・調理の過程で副次的に得られた食用にできない物品を指します(第2条第2項)。このうち有用なものが「食品循環資源」です(同条第3項)。家庭から出る生ごみは、食品関連事業者の事業活動に伴うものではないため対象外です。
処理業者の実務で押さえておきたいのは、食品リサイクル法の「食品廃棄物等」と、廃棄物処理法の区分は別物だという点です。食品製造業から出る動植物性残さは産業廃棄物、小売店や飲食店から出る食べ残し・売れ残りは事業系一般廃棄物に当たり、受け入れに必要な許可が変わります。どちらに当たるかは廃棄物処理法の全体像で整理しています。食品リサイクル法は、この区分をまたいで「再生利用を進めよ」と排出側に求める法律です。
再生利用等の優先順位と4つの手法
食品リサイクル法が食品関連事業者に求める「再生利用等」は、次の4つで構成されます(第2条第5項から第7項、第3条第1項)。
- 発生抑制:食品廃棄物等そのものを減らす
- 再生利用:肥料・飼料、または施行令第2条が定める製品(きのこ類の栽培用固形培地、炭化の過程を経て製造される燃料および還元剤、油脂および油脂製品、エタノール、メタン)の原材料として利用する
- 熱回収:主務省令の基準に適合する方法で熱を得る
- 減量:脱水・乾燥・発酵・炭化で量を減らす(法第2条第7項の方法を定める省令)
優先順位は、食品関連事業者の判断基準を定める省令(平成13年6省令第4号)に明文化されています。
一 食品廃棄物等の発生を可能な限り抑制すること。
二 食品循環資源の全部又は一部のうち、再生利用を実施することができるものについては、特定肥飼料等の需給状況を勘案して、可能な限り再生利用を実施すること。この場合において、飼料の原材料として利用することができるものについては可能な限り飼料の原材料として利用し、飼料の原材料として利用することができないものであって肥料の原材料として利用することができるものについては可能な限り肥料の原材料として利用すること。
三 食品循環資源の全部又は一部のうち、前号の規定による再生利用を実施することができないものであって、熱回収を実施することができるものについては、可能な限り熱回収を実施すること。
四 食品廃棄物等の全部又は一部のうち、前二号の規定による再生利用及び熱回収を実施することができないものについては、減量を実施することにより、事業場外への排出を可能な限り抑制すること。
つまり、発生抑制→再生利用(飼料化→肥料化→その他)→熱回収→減量の順です。令和5年度の実績では、再生利用の用途別実施量は飼料が7,861千トン(76%)、肥料が1,530千トン(15%)、メタンが471千トン(5%)、油脂および油脂製品が395千トン(4%)で、飼料化が圧倒的に多くなっています(農林水産省「令和5年度食品廃棄物等の年間発生量及び食品循環資源の再生利用等実施率(推計値)」)。
同じ省令には、処理業者の受け入れに直結する基準もあります。食品関連事業者が収集運搬を委託するときは、異物・病原微生物の混入防止や温度管理などの基準に従う者を選び、実施状況を定期的に把握して、基準どおりでなければ委託先を変えることが求められます(第5条・第6条)。排出側が処理業者を選ぶ目線は、この条文で決まっています。
2025年改定の基本方針――2029年度目標と直近実績のギャップ
法第3条に基づく「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針」は、おおむね5年ごとに定められます(施行令第3条)。現行の基本方針は2025年3月14日に公布・同日適用されたもので(財務省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省告示第1号)、業種別の再生利用等実施率の目標を2029年度(令和11年度)までの数字として置いています。
業種 | 旧目標(2024年度まで) | 新目標(2029年度まで) | 令和5年度実績(推計) |
|---|---|---|---|
食品製造業 | 95% | 95% | 97% |
食品卸売業 | 75% | 75% | 61% |
食品小売業 | 60% | 65% | 63% |
外食産業 | 50% | 50% | 34% |
(目標値:農林水産省「食品廃棄物等の再生利用等の目標について」。実績:同省「令和5年度食品廃棄物等の年間発生量及び食品循環資源の再生利用等実施率(推計値)」。旧目標は令和元年7月公表の基本方針)
製造業はすでに目標を超えていますが、卸・外食は目標を大きく下回り、小売は目標が5ポイント引き上げられて再び目標割れの状態になりました。令和5年度の内訳を見ると、食品廃棄物等の年間発生量のうち「廃棄物としての処分量」は、食品製造業で271千トン(発生量の2%)に対し、食品小売業で517千トン(57%)、外食産業で908千トン(83%)です。川下に行くほど、食品廃棄物の大半が再生利用に回らず処分されている――これが処理業者から見た需要の所在です。
個々の事業者には、業種目標とは別に毎年の「基準実施率」が課されます。前年度の基準実施率が20%以上50%未満なら2ポイント増、50%以上80%未満なら1ポイント増、80%以上なら維持向上が目標で、20%未満は20%として計算します(判断基準省令第2条・付録第二)。目標に届かない状態が続けば、次に述べる勧告・公表・命令の対象になりえます。
基本方針は発生抑制の目標や事業系食品ロスの削減目標も定めていますが、本記事は処理業者の実務に関わる再生利用等の部分に絞ります。
定期報告――年100トン以上の多量発生事業者の義務
食品廃棄物等の発生量が一定以上の食品関連事業者は、毎年度の定期報告が義務です(法第9条第1項)。閾値は施行令第4条で「当該年度の前年度において生じた食品廃棄物等の発生量が百トン以上」と定められています。期限と様式は省令にあります。
食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(以下「法」という。)第九条第一項の規定による報告は、毎年度六月末日までに、別記様式による報告書を提出してしなければならない。
提出先は、農林水産大臣の権限が委任されている、主たる事務所の所在地を管轄する地方農政局長(北海道は北海道農政事務所長)です(施行令第7条第1項第1号)。報告事項は省令第2条に11項目あり、発生量、売上高などの関連値、発生原単位、発生抑制・再生利用・熱回収・減量それぞれの実施量、再生利用等実施率、特定肥飼料等の製造量や熱量、判断基準の遵守状況などです。フランチャイズ本部は、約款に食品廃棄物等の処理に関する定めがあれば、加盟店の発生量を合算して報告します(法第9条第2項、省令第3条)。
報告をしない、または虚偽の報告をした場合は20万円以下の罰金です(法第29条第1号)。また、多量発生事業者の再生利用等が判断基準に照らして著しく不十分なときは、主務大臣が勧告→従わなければ公表→なお正当な理由なく措置を取らなければ命令、と段階的に進み(法第10条)、命令に違反すると50万円以下の罰金になります(法第27条)。罰金刑は、後述する登録再生利用事業者の欠格事由にもつながります。
登録再生利用事業者になるには(処理業者向け①)
食品循環資源を原材料とする肥料・飼料・施行令第2条の製品(特定肥飼料等)の製造を業として行う者は、事業場ごとに主務大臣の登録を受けることができます(法第11条第1項)。登録は任意ですが、次の特例と信用が付きます。
- 一般廃棄物に当たる食品循環資源について、一般廃棄物収集運搬業者が許可を受けた市町村の区域から登録事業場へ運搬できる特例(法第21条第1項)
- 特殊肥料の生産・販売届出(肥料の品質の確保等に関する法律)や、飼料の製造・販売届出(飼料安全法)が、登録によって届出があったものとみなされる(法第22条・第23条)
- 「登録再生利用事業者」の名称は登録者しか使えない(法第13条)。登録事業者の一覧は農林水産省が公表しており、排出側が委託先を選ぶときの材料になる
登録の要件は法第11条第3項と登録省令(平成13年農林水産省・経済産業省・環境省令第1号)第3条にまとまっています。処理業者の目線で主なものを挙げます。
要件 | 根拠 |
|---|---|
特定肥飼料等製造施設の処理能力が1日あたり5トン以上 | 登録省令第3条第2項 |
受け入れる食品循環資源が産業廃棄物なら廃棄物処理法第14条第6項の処分業許可(一般廃棄物なら同法第7条第6項の許可)を持つこと、または廃棄物処理法施行規則に基づく特例に該当すること | 登録省令第3条第1項第3号・第4号 |
施設が廃棄物処理施設に当たる場合は設置許可を受けていること | 同第7号ロ |
受け入れる食品循環資源の大部分を製造施設に投入すること、性状の分析・管理を適切に行うこと | 同第2号・第6号 |
できた特定肥飼料等が利用されずに廃棄されるおそれが少ないこと(品質・需要の見込み) | 同第5号 |
再生利用事業を適確かつ円滑に実施するのに十分な経理的基礎 | 法第11条第3項第3号 |
申請書には、法人なら定款・登記事項証明書と直前3年の貸借対照表・損益計算書・納税証明、過去1年間の特定肥飼料等の製造量・販売量と販売先、搬入計画、施設の図面、維持管理計画、成分分析の結果などを添付します(登録省令第1条)。申請先は、事業場の所在地を管轄する地方農政局長です(施行令第7条第1項第2号)。
登録には欠格事由があり、食品リサイクル法の規定により罰金以上の刑に処せられて2年を経過しない者、登録を取り消されて2年を経過しない者、役員にこれらに該当する者がいる法人は登録できません(法第11条第4項)。登録は5年ごとの更新制です(法第12条)。登録後は、事業場ごとの標識掲示とインターネットでの公開(法第14条)、料金の届出と公示(法第15条)、特定の者への不当な差別的取扱いの禁止(法第16条)が義務になり、違反すると登録の取消しや罰金の対象になります(法第17条・第28条)。
つまり、産廃処分業の許可を持って動植物性残さを肥飼料化している処理業者にとって、登録は「許可の上に乗せる信用」です。要件の多くは許可取得時に揃えている書類と重なります。
再生利用事業計画(食品リサイクル・ループ)(処理業者向け②)
食品関連事業者・特定肥飼料等の製造業者・農林漁業者等の3者が共同で計画をつくり、主務大臣の認定を受ける制度です(法第19条)。排出側が出した食品廃棄物等を処理業者が肥料・飼料にし、それで育てた農畜水産物や加工品を排出側が引き取って販売する、いわゆる食品リサイクル・ループを制度として固定します。
食品関連事業者又は食品関連事業者を構成員とする事業協同組合その他の政令で定める法人は、特定肥飼料等の製造を業として行う者及び農林漁業者等(農林漁業者その他の者で特定肥飼料等を利用するものをいう。以下同じ。)又は農林漁業者等を構成員とする農業協同組合その他の政令で定める法人と共同して、再生利用事業の実施、当該再生利用事業により得られた特定肥飼料等の利用及び当該特定肥飼料等の利用により生産された農畜水産物、当該農畜水産物を原料又は材料として製造され、又は加工された食品その他の主務省令で定めるもの(以下「特定農畜水産物等」という。)の利用に関する計画(以下「再生利用事業計画」という。)を作成し、主務省令で定めるところにより、これを主務大臣に提出して、当該再生利用事業計画が適当である旨の認定を受けることができる。
認定の要件は、基本方針と判断基準に適合すること、製造業者が再生利用事業を確実に実施できること、できた特定肥飼料等の製造量に見合う利用と、特定農畜水産物等の一定量の利用が確実に見込めること、収集運搬を行う者と施設が省令の基準に適合することです(法第19条第3項)。
処理業者にとっての実益は廃棄物処理法の特例です。認定事業者である食品関連事業者の委託を受けて、認定計画に従って食品循環資源(一般廃棄物に当たるもの)を収集運搬する者は、一般廃棄物収集運搬業の許可を受けずにその収集運搬を業として行えます(法第21条第2項)。肥料法・飼料安全法の届出みなしも、登録再生利用事業者と同様に受けられます(法第22条・第23条)。
認定に関する省令(平成13年6省令第2号)は2025年11月17日に改正され、それまで「農畜水産物とその加工品」に限られていた特定農畜水産物等の範囲が広げられました(環境省報道発表 2025年11月17日)。あわせて認定事務等取扱要領も2025年12月1日に一部改正されています。ループを組む相手が農家だけでなく、肥料でつくった牧草や飼料作物を使う畜産など、間に一段入る形でも認定を取りやすくなった改正です。認定状況の一覧と申請様式は農林水産省の「再生利用事業計画(食品リサイクルループ)認定制度」ページで公開されています。
処理方式別・実施率へのカウント早見表
ここが本記事の核です。排出側が定期報告で算出する「再生利用等実施率」の式は、定期報告省令に逐語で定められています。
食品循環資源の再生利用等の実施率(第四号、第五号及び前号に掲げる量並びに第六号に掲げる量に〇・九五を乗じて得られた量の合計量を第一号及び第四号に掲げる量の合計量で除して得た率をいう。)
第4号が発生抑制の実施量、第5号が再生利用の実施量、第7号が減量の実施量、第6号が熱回収の実施量、第1号が発生量です。書き直すと次の式になります。
実施率 =(発生抑制量 + 再生利用量 + 減量量 + 熱回収量 × 0.95)÷(発生量 + 発生抑制量)
そして「発生量」は同省令第2条第1号で、A 再生利用の実施量、B 熱回収の実施量、C 減量の実施量、D 再生利用等以外の実施量(特定肥飼料等以外の製品の原材料として利用した量)、E 廃棄物としての処分の実施量、の合計と定義されています。分子に入るのは A・B(0.95掛け)・C だけで、D と E は分母にしか入りません。処理方式ごとに整理すると、次のとおりです。
顧客から受け入れた食品廃棄物の処理方式 | 実施率へのカウント | 根拠 |
|---|---|---|
飼料化・肥料化 | 100% | 法第2条第5項 |
きのこ培地・炭化燃料/還元剤・油脂・エタノール・メタン化 | 100% | 施行令第2条 |
熱回収(下記の省令基準に適合) | 95%(×0.95) | 定期報告省令第2条第8号 |
減量(脱水・乾燥・発酵・炭化)で減った分 | 減量分がカウント | 法第2条第7項の方法を定める省令 |
上記以外の製品の原材料に利用(例:施行令第2条に無い製品) | 0 | 定期報告省令第2条第1号 D |
単純焼却・埋立など廃棄物としての処分 | 0 | 同 E |
熱回収が0.95でカウントされる条件は、法第2条第6項の基準を定める省令(平成19年農林水産省・環境省令第5号)第1条に定められており、2つの要件を同時に満たす必要があります。
- 肥飼料化施設との距離:排出事業場から75キロメートル以内に特定肥飼料等製造施設が無いこと。あるいは、75キロメートル以内の施設で受け入れが著しく困難な種類・性状の食品循環資源に限ること、または施設の受入能力を超える分に限ること(第1条第1号)
- 得られる熱量の下限:廃食用油など発熱量が1キログラムあたり35メガジュール以上のものは、1トンあたり28,000メガジュール以上の熱を得て有効利用すること(同第2号)。それ以外の食品循環資源は、1トンあたり160メガジュール以上の熱または電気を得て有効利用すること(同第3号)
裏返すと、排出事業場の75キロメートル以内に肥飼料化の受け皿があれば、焼却炉で熱回収しても実施率にはカウントされず、E(廃棄物としての処分)になります。 排出側は定期報告で、75キロメートル以内に再生利用が困難である状況や、熱回収で得た熱量を記載する立場です(判断基準省令第9条)。
処理業者がこの表から顧客に言えることは3つです。
- 「うちに出せば実施率が上がる」の根拠は条文にある。飼料化・肥料化・メタン化の施設を持つ処理業者は、顧客の実施率に100%で効く。目標割れの卸・小売・外食(令和5年度実績61%・63%・34%)にとって、処理先の変更は実施率を動かす最も直接的な手段になる
- 焼却に出している顧客は、法律上「何もしていない」のと同じ扱い。75キロメートル圏内に肥飼料化施設があるなら、その焼却は熱回収にもならない。顧客の定期報告の E 欄に入っている量が、そのまま営業の対象になる
- 受け入れる側の規制は廃棄物処理法のまま。食品リサイクル法は受け入れ側の許可を増やすわけではなく、産業廃棄物なら処分業許可、一般廃棄物なら市町村の許可が前提になる。受け入れた食品廃棄物を積み替え保管する場合は産業廃棄物の保管基準が、顧客が「これは有価物だから廃棄物ではない」と主張する場合は有価物と廃棄物の線引きが、それぞれ別に効いてきます
食品リサイクル法は排出側の法律です。しかし、その成績表の数字をつくるのは処理業者の処理方式であり、2029年度目標に向けて卸・小売・外食が処理先を見直す局面で、この早見表はそのまま提案資料になります。
